2020年3月21日のご報告です。

2020年3月24日ミズタニ行進曲

 2020年3月21日土曜日。皆さんから寄せて戴きましたご賛同金により1060本ものガーベラ一輪ブーケを用意することができました。そしてそれらは全て、人の手に渡りました。ご賛同くださった皆さまの意思と熱意に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。当日はよく晴れた春の日になりました。私たちは花を渡すために準備を進めてきました。そしてそれは実現できました。


 11時20分頃から立命館大学東門で卒業生の皆さんへ花をプレゼントし始めました。「私は産社のOBです。卒業式が中止になってしまったので、せめて花だけでもと思い、届けに参りました」と簡潔に説明をしました。卒業生の中にはご両親と来校している方もあり、卒業生はもとよりご両親も大変に喜ばれていました。



「花をいただけるなんて、考えてもいませんでした。」


 口々にそうした言葉を頂きました。友人と集まって写真を撮るグループも、一人で校内に来ている卒業生にも、仲良しで来校する卒業生にも、映像学部の皆さんにも、衣笠キャンパスに13時頃までに来校した殆どの卒業生たちに花をプレゼントしました。その数700本。実際に1000本がイルピアット紙屋川には届けられたので、すべてを大学に持ってきても充分に渡せたのかもしれません。しかし運搬の都合、渡す段取り、次の京都駅でのスケジュール、カメラマンの二人の作業量などを考えるとこの数が限界値だったと思います。


 話は前後しますが、当日の朝に花は1000本が届きました。お花屋さん五店舗、各200本です。店内に運び込まれた花を目の当たりにして本当に綺麗だと思いました。そしてどうやって運搬しようかと苦慮しました。結局、衣笠キャンパスには二回に分けて運搬しました。花は校内に持ち込まず、東門の外に全てを置きました。東門を通る前に花を渡し、門にある大学表札前でプロのカメラマンに撮影してもらう段取りを作りました。


 今回、撮影などを快く引き受けて下さったのは私の友人夫婦です。てっちゃんとともちゃん。二人は卒業生からスマホを受け取り三脚に設置して皆さんの撮影をしてくれました。コロナの感染リスクを避けるため、アルコールを持参しての現場でした。多くのスマホを手にしながら撮影しました。「プロカメラマンを用意してます」という言葉は瞬く間に広がり、東門には行列ができるほどでした。仲間やご両親と「立命館大学」という表札を背景に記念写真を届けることにも成功しました。花を持って記念撮影される卒業生たちを見て震えるほど嬉しかったです。二人には重労働を強いてしまいました。しかし、感謝しています。


 校内では花を持って記念撮影する学生ばかりでした。13時過ぎに到着した純平からは「衣笠の学生がみんな花を持ってて本当に凄いと思いました」とメッセージが届きました。私は花を詰めた袋を抱えつつ校内を巡りました。時計台前、芝生広場、正門、西側諒友館前など駆け巡りました。その甲斐もあって、多くの卒業生たちに短時間で花をプレゼントできました。渡すたびに「東門で撮影してもらえる」と伝えました。東門に花を補充に戻るといつも行列ができていました。確かに卒業式は中止になりましたが、卒業のお祝いは果たせたのです。



 大学職員の方や教員の方からも「何しているの?」と尋ねられました。しかしその皆さんが「素晴らしい試みです。学生は皆、喜んでます。ありがとう。」と言葉をくださいました。大学は公に動けません。中止にしていますから。でもOBが後輩に花を渡すくらい問題ではありません。非常に自然なことです。私は皆さんからのご賛同によって本当に気持ちのいい時間を過ごせました。卒業生諸君の嬉しそうな表情が忘れられません。



「学内に花があるのと無いのとでは大違いだ。」


 ある教員の方が言いました。私もそう思います。この日に足を運んだ全ての学生諸君に花を渡せた訳では無いことが心残りです。しかし今回は、大学に迷惑を掛けまいと大っぴらに「大学で花を配るので集まってください!人数も分かればお知らせください!」と投げ掛けませんでした。あくまでも、自分の周りだけで準備を進めました。当日の天気といい、学生たちの表情といい、もっと堂々と募れたら良かったのですが、コロナめ。しかし私は、こんなにも学生が集まるとは思いもしませんでした。


 13時に大学を撤収し、京都駅へ向かいました。紙屋川で残りの300本を車に運び、京都駅へ。烏丸中央口を出たあたりが会場でした。現場には友人・知人が花を配るために集まってくれていました。当日に京都駅で花を一緒に配ってくれた皆さんに、この場を借りてお礼を言わせて下さい。皆さんがいてくれて本当に勇気づけられました。本当にありがとうございました。皆さんが花をプレゼントする姿に社会の可能性を見ました。私たちは何かしたくて、動きたくて、そういう気持ちがここにはあると思いました。感激でした。


 京都駅では20分足らずで花を渡し終えました。あっという間でした。京都駅にも卒業生はいて、偶然に花を贈れて良かったです。外国人旅行者の方にも事情を説明して受け取ってもらいました。花があるだけで何もかも違う景色になりました。京都駅は広く、そして、往来する人々も多く、私たちが渡した花はすぐに人混みに溶け込んでゆきました。そんな光景を見ながら、数万人規模でなければ街を花で飾ることは難しいのだなと思いました。しかしどうでしょうか。花を手にした人は確かにいるのです。私はその確実性に人々がどうアクセスするのか期待を寄せたいと思います。



「花には、花にしかない力がある。」

 卒業生、通行人、そしてプレゼントする行為。私はそんな事を、花を通して強く実感しました。花には力がある。これは本当です。手にした人を笑顔にするし、きっかけを作ります。日常に何かしらのきっかけを作れるのです。その「何かしら」という隙間こそ、人の可能性ですし社会の良さだと思います。花はいつでも可能性を象徴しています。


「コロナは花が咲く事を止められない。」



コロナの影響で外出制限など厳しく敷かれていない日本だったからこそ、卒業の日に花をプレゼントできたのだと思っています。結果、コロナは花が咲く事を止められはしませんでした。私は卒業の日に花をプレゼントできて本当に気持ちが良かった。卒業生の皆さん、本当におめでとうございます。ご賛同くださった皆さん、本当にありがとうございました。協力してくれた皆さん、本当に感謝しています。おはる、振り袖まで着てくれてありがとう。華やかで素晴らしい時間でした。


最後に。思いもよらずこんなに多くのご賛同を頂き正直、驚きました。緊張もしましたし自分には身に余るとも思いました。しかし、ご賛同いただいた皆さんも「何かしたい」と感じてその思いを私に託してくださったと解釈して挑みました。結果、とても勉強になりましたし気持ちの良い時間を経験できました。再び何か、というには難しさもありますが、また私が何か思い付いたら面白がって下さい。そして、よろしければ一緒にしてください。皆さんが私を見てくださっているのだと言う事も嬉しかったです。ありがとうございました。
イルピアット紙屋川 トニーミズタニヨシオ

今回のご賛同金収支のご報告です


皆さんからのご賛同金は25万2000円にもなりました。

花屋さんに44000円を五店舗で22万円

カメラマン代金として2万円(彼らは「要らない」と言いましたが、それはダメです)

残り12000円を60本のガーベラに変えて13200円(1200円は紙屋川から補填)

60本のガーベラは21日に紙屋川へご来店された皆さんにプレゼント。そして翌日に、私がご賛同くださたった美容室さまへお渡しして「皆さんへプレゼントください」とお願いしました。

以上です。