福山哲郎さんをお迎えして(紙屋川ミーティングを終えて)

2022年5月10日ブログなど

「福山哲郎さんをお迎えして」~第一回 紙屋川ミーティングを終えて~
 
 2022年5月8日日曜日。16時30分より紙屋川ミーティングの第一回目が開催されました。初回のゲストは参議院議員 福山哲郎さん。現職の国会議員をお迎えしての雑談ミーティング勉強会は、大いに盛り上がりを見せました。わたくしと福山さんがそれぞれ用意したレジュメを参考に会を進めました。

 具体的には、福山さんの挨拶から始まり、わたくしからの基本質問、参加者からの質問、福山さんの解答と説明、という構造です。始まりは緊張感もあり、どうやってこの空気を柔らかくしようかと考えました。福山さんの解説はそれ自体が面白く、切るところを見つけることが難いものでした。

 福山さんがご用意くださったレジュメには、政治への印象、立法と法案成立の内容、ウクライナの経緯と情勢、NATO加盟国の経緯、ロシアの侵略戦争に対する各新聞社の社説、アジア太平洋地域の地図と地政学的な防衛構図、核共有についての解説などが記されていました。このレジュメのおかげで、現在の問題と構造上の問題が理解でき、活発な意見交換ができました。

法案成立と選挙、選挙応援と支持母体の話題、議員立法にまつわるエピソード(おもちゃに含まれる有害物質の法規制のエピソード)、国会議員の役割とその位置づけ、メディアの影響力について、「批判ばかり」というメディアの論調について、教育について、代表制としての意味、国民に求められる理解とリテラシー、コロナ対策について、領土問題、国土防衛問題、ウクライナ戦争による軍備増強への干渉問題、日米安保条約の働きと有効性、戦術核にまつわる理解と戦略、核共有議論と憲法解釈などなど。予定時間を超えての勉強会となりました。

福山さんはどの質問にも理解を示し、そして真摯に向き合って回答くださいました。中には難しい回答のものもあり、政治家の抱える難しさを垣間見ることもできました。回答と解説はファクト(事実)に基づくことを前提とし、脚色せず、論理的に展開されていました。大げさな表現はなく、脅し文句もなく、淡々と現状と問題点を話す福山さんを、参加者の殆どが「こんなに(国会議員が)きちんとしているとは」と感心していました。

立憲民主党の弱い部分と維新の会の風向きなどに話が及ぶと、具体的な対象者の話はなく、立憲民主党の立場と役割について説明をされていました。「福山さんがあと10人いれば立憲はもっとしっかりとした野党になる」と尾場瀬先生が話されるほどでした。わたくしからも「福山さんのような議員を作るにはどうすればいいのか」と振ると「それぞれに良いところはあるけれど、難しい」と苦しそうでした。

領土問題についての政府見解を説明下さった際にわたくしが「その見解は全ての国会議員の認識も同じと考えていいのですか」と尋ねました。「そんなことはありません。議員にも色々いますから」と話されました。野党だからと与党法案にすべて反対していない現状や(実際には閣法の3分の2程に賛成している)、メディアが話題性を重視する傾向から与野党合意の法案成立過程などが知られていない現状などの苦しさも伺いました。

メディアに関しては、スキャンダルの追及や政治の問題を表面化させる役割があると同時に、きちんとした国会運営についても同じくらい報道して欲しい気持ちがある様子でした。領土問題や国土防衛、憲法九条や自衛隊と米軍基地、日米安保条約などの話題については、「敵地攻撃能力」と「核共有」の議論の高まりの源泉が単純化されている点についても議論しました。

レストランで政治の問題や勉強会をすることは稀と思いますが、レストランだからこそできる雰囲気作りがある事も事実です。わたくしも、参加される方々への説明をどこまですればよいのかに苦慮してレジュメを作成しました。募集時点ではどんな方が参加してくれるのかが見えていませんでした。事前に作成したレジュメのレベルを基に、福山さんの事務所でもレジュメを作成くださり、とても参考になりました。

勉強会時間後の会食会は大いに、ざっくばらんな時間となりました。福山さんは発言をしていなかった参加者へひとりずつ声を掛けて話されていました。国会議員のイメージがすべて福山さんのようなものではありませんが、熱心に努めてくださったことに心から感謝しています。参加者の皆さんも口々に「良い時間でした。勉強になりました」と話されていて、わたくしも報われる思いでした。

選挙は政党を選び、候補者を選ぶものです。どの候補者がいいのか。その候補者の政党がどこであるのか。候補者が良くても、その政党を支持できない事もあります。しかし、今回の勉強会を通して強く思うのは、やはり、重要なのは候補者です。その人物が誰であるのか。どんな人間性を持ち、政策や立法をどのように考えているのか。(たいまが質問した通り)選挙は代表制なのです。わたくしたちの代表を選ぶのです。その候補者が単なる数の論理に必要な駒でないことが願いです。

福山さんの経験値と知識がきちんと活かされる国会であって欲しいと思いました。わたくしも勉強になりました。これを機会に、政治に関する論理の組み立て方について考えてみようと思います。忙しい時期にわざわざ紙屋川へお越しくださったこと、時間を超えての勉強会にも快くお付き合いくださったこと、何よりも熱心に解説くださったこと、どれも感謝しかありません。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

参加してくださった皆さんにも感謝しています。遠くは四国の善通寺市、滋賀の長浜市、神戸市、亀岡市などからも足を運んでくださり感謝しています。参加者の皆さんと一緒にお酒が飲めてとても楽しかったです(福山さんはお酒を飲んでいません)。本当に様々な意見と質問が聴けて良かったです。難しい内容の勉強会でしたが、皆さんの知識欲の旺盛さに心配は杞憂でした。

また別の勉強会(紙屋川ミーティング)も企画したいと思います。よろしければご参加ください。充実した良い時間でした。頭も体力も使いました。レジュメ作りも楽しかったです。自分の頭で考え、理解し、話し、リテラシーを養いたいと思います。お付き合いくださりありがとうございました。