2.いろいろあるのが飲食店

2011年1月17日手記

いろいろな出来事や、出会い、お客様とのやり取り、お客様同士の会話や出会い、お店の提供するサービス・料理、店員の質や店長の性格・人間性・・・・これらが玩具箱みたいに詰まっているのが飲食店ではないでしょうか。ご利用されるお客様の目的は「飲食」なのですが、皆さんが皆さんすべて「空腹を満たす」という単純目的だけでは来店されていないのも飲食店です。何かの記念日や、デートで気取りたい時、粋でなじみのお店を自慢したいとき、静かに語り合いたいとき、様々な場面がお客様にはあります。

私はお店に立っていて、調理をさせてもらっています。また、お客様とのお話しや、サービスもさせていただくポジションです。なにせ、お店には私しかいませんので。私しかいないカウンター7席の小さなお店では、色々なことが巻き起こります。救急車を呼ぶこともあれば、お客様と議論になり熱が入りすぎることもあります。お客様から日常の事でご相談話しを伺う機会もあります。

そうした色々の展開を私は日々、お店で経験させてもらっています。

私が料理を考えたり、次の展開を思案したり、パーティーを開催したりするのは、ご利用くださっているお客様とこれからも前に進んでゆきたいという表明だと思います。前に進んでゆきたい気持ちにさせてくださるのは、ある特定のお客様とのやり取りではありません。イルピアットをご利用されるお客様の全てが私を突き動かす原動力なのですね。

できるのなら、お店の印象や感想はお店で感じ取りたいと思っています。または、このブログやメールなどで私宛に寄せていただけるものなら受け取りたいと思っています。これは「願い」であり「希望」ですね。イルピアットをご利用くださり、お客様ご自身が何か表明したい事柄があれば直接お聞きしたいと思うのです。

言いづらい事柄や辛辣なご意見もあって然るべきでしょう。または、価値と意識の相違で相容れないこともあるでしょう。私は私の考えにお客様を染めたいとは思っていないのです。お客様が直接、私にコメントをすることは相互に良い事だと思うのですね。意見表明ができるということは、自身の自尊心が健全である事の証しなのだと思うのです。

しかし、ネット社会になって「意見表明」の形も変化しました。匿名性も高まり、自分を隠匿したままでも「意見」だけは表明できる環境が生まれました。自分の存在を隠す事で守られるものもあるので、ネット社会の匿名性・隠匿性を否定するものではありません。こんな社会情勢であれば、尚更、守られるべき範囲は広大になったと言えるかもしれませんね。

こうした意見表明の形も「現在」なのです。ネットもあり、直接もあり、方法が増えたのですね。私も然りです。こうしてブログを活用するものです(私の場合は匿名性をなるべく避けたいので、実名でネット世界を歩き回りますが)。どの方法を選ぶかは、その人が「どう在りたいのか」に依ると思います。例えば、「食べログ」さんでのコメントもそういうことなのだと思うのですね。

私は、私の感覚的な判断で食べログさんの投稿内容を見ることはありません。ランキングに関しては、気にならないと言えばウソになります。だからと、食べログさんのランキングに一喜一憂し、働くモチベーションに変わったりは一寸もしません。私は先日、食べログさんの投稿ユーザーに対して「自尊心が満たされたいだけ」と表現しましたが、意見表明は自尊心が健全である証しです。健全な証しなんですが、表明の仕組みを外部化し匿名性が高いところに粋を感じません。

食べログさんへの削除依頼は、「カカクコム・食べログ」の運営体質に不快感を覚えるからです。掲載店舗に対する配慮と気持ちが全く無いのですね。合理的なシステムを進める企業ですから仕方ありませんが、社会は人と人との感情がつないでいる存在です。人と人とが快適に暮らす為のシステムを動かすのは、感情に他なりません。合理的なシステムは感情を排除する必要がありますが、掲載されている店舗は(まさしく)人が生業として活動しているのですね。

食べログさんは飲食店舗側が「掲載されたい」という気持ちにさせる動機付けを「その影響力の大きさ」でしか図りません。だから広告募集をかけたりします。「集客に寄与できると思います」とステッカーを送ったりします。これは飲食店舗と共に活動する姿勢ではなくて、取り込んで言う事を聞かせてゆこうというニュアンスです。「食べログさんは飲食店舗の為のサイトではないので、利用者側に立っているので当然」という声もあるでしょうか。この感覚も、「その人がどう在りたいのかによる」ことなのだと思うのですね。

飲食店は色々な出来事があります。そのいろいろは、お店だけでもお客様だけでも成立しないのです。相互によるやり取りが要です。「店舗側だけ」「お客様側だけ」という分断の構図は、この先に何かしら影を落とすものだと思うのです。どうせならフラットな気持ちで、飲食を愉しんで欲しいなと思います。あるお店を投稿・評価するために訪れるのではなくて、大切な時間を好きな人と過ごして欲しいなと思います。

時間は有限ですよ。また、「キラキラ活動」できる時間は意外と短いものですよ。

今日もイルピアットでお待ちしています。

イルピアット ミズタニ