乙武氏のブログを読みました。

2013年6月5日手記

乙武氏のブログを読みました。

彼は素直に「店名を公表したのは冷静さを欠いていた」という旨を記していました。

参考まで、乙武氏のブログ http://ototake.com/mail/307/

全体を読んで持った印象は「思い知らせたかった」という事でしょうか。お店側の対応と、乙武氏のお連れの方の切なさと、それを見た乙武氏の激昂と、情報が食べログのみだったことと、今回のケースは縁がなかったのかなと思いました。これはお店と乙武氏の両方に縁がなかったのだと思います。

そして驚きなのは、これまで一度もこうした経験に遭遇したことがないという乙武氏の経験値でした。

私は彼の書籍をおそらく、第一刷で読んでいます。その時の感想を今でも鮮明に覚えていますが、それは「運がいいな」と言うものでした。彼のご両親は本当に素晴らしい方だと思いましたし、周囲のバックアップも奇跡的なチームワークだったことを覚えています。しかしどれも、当時の私からは運がいいとしか言いようがなかった。私の家は貧しかった事もあり、(乙武氏の表現を借りて言いますが)五体不満足でもこんなことがあるのだなと、色々な条件を度外視しても運がいいなぁ、と思ったものでした。

そしてその延長線上に、今回の出来事はあると思いました。

乙武氏は「これまで一度も車椅子であることを伝えたことはなかった」と言っています。そしてそれでも困った経験はなかったと言っています。もちろん、そうは言っても、乙武氏の努力と人間性がそれを支えていることは疑いありません。そしてこれまでは、やはり、運が良かったのだと私は思ってしまいました。

社会は乙武氏のようなハンデ(彼は超個性と呼んでいますが)に対して、彼が思っているほど優しくないのだと思うのです。(まさか、彼だってそんなことを信じ切ってはいまいと思いますが)これは、ある面での現実だと思うのです。残念ですが、現時点では彼の持って生まれた運の良さが社会のスタンダードになることはないと思います。

乙武氏も反省されていましたが、銀座のお店の方の対応に幾らも不備と不満があっても、店名を公表することはやはり頂けませんでした。ひょっとしたら、今回の件がきっかけでお店が潰れてもおかしくないような話です。乙武氏は「世に問うて見ましょう」と売り言葉に買い言葉で、ボルテージをMAXにしてしまいました。店名公表の背景にはどうしても、「思い知らせてやる」という憎しみがあります。彼は自身の影響力を知っているのですから、踏みとどまって欲しかったです。

プロボクサーが素人を殴る。剣道有段者が30センチ以上の長さの棒で叩く。乙武氏にはこれらに等しい力があります。発言するなというのではありません。使い方を知るべきだと言いたいのです。自身を虐げた相手に対して「俺を怒らせたな。真の力を見せてやろう!」と圧倒的な潜在能力を行使して報復するのは漫画だけに限ります。

とはいえ。

私は乙武氏が憤慨した背景にも共感を覚えてしまいます。連れの友人が泣かされて(もしくは泣いてしまって)黙ってられるほど私も人間ができていません。友人の「車椅子は迷惑ってことですか?」という問いは良い問いとは言えませんが(本当に言ったのかな?)、状況と勢いで立ってしまった問いですからこれも仕方ありません(この問いは、問いの形式をしているだけで、問いではありません。考えを確認しているだけです。答えがわかっている場合によく出現します)。いろんなお店があります。私を含め、料理を作っている人間は変わってる奴が多いのも事実です。

寄せていただいたコメントにもありますが(覚えていますよ!筆談をさせて頂きました)、私も乙武氏はイメージを膨らませて自身が車椅子であることを伝えておけば良かったのになと、残念な気持ちになります。さらに、とはいえ、お店は事前に聞いていてもイライラしたかも知れません。これは分かりませんが、乙武氏が受けた「小馬鹿にしている」という印象からも、お店にはゆとりも余裕もないので厳しい対応になってしまったかもしれません。

お客さまとお店のやり取りには、お互いの主観が混在します。お互いの言い分があります。そして食べログにも顕著ですが、お客さまの方が「えらい」かのように勘違いをされている方も、少なからず見えるのも事実です。お客さまは「えらい」のではなく「ありがたい」のです。そして「ありがたい」は「えらい」のではありません。逆にお店が自身を「えらい」と勘違いしている場合もあります。お互いの立ち位置はフェアです。ただ、お客さま側からすれば残念だといって時間もお金も戻らないので、リスクが高いことはあると思うのです。しかし、リスクは全てにつきものです。

今回のケースはお互いに縁がなかった。そして、乙武氏は初めてのリスクを経験されました。経験値はリスクを減少させます(だから他者の経験値を拝借する形の食べログは人気です)。お店も乙武氏も、ある意味で傷つきました。そして互いに、嫌な気持ちになりました。だからこそ。次に活かせばいいと思いませんか。お店も、乙武氏も。

そして、最後にどうしてもこれだけは言いたい。

日本維新の会の国会議員!

国会で今回のことを取り上げて「私たちは優しい」というパフォーマンスをするな!

あたかも自分たちは弱者に寄り添っています、みたいなそういう行動が、一番腹立たしい!

いくら困っているとはいえ、知恵と恥がなさすぎだろ!

もっとやること、あるだろうが!

バカモン!

しかし乙武氏の文章は読みやすいなぁ。